太陽光発電を導入してしばらく経つと、「以前より発電量が減っている気がする」と感じる方も少なくありません。発電量の低下は、気づかないうちに徐々に進行していることが多く、原因を正しく把握しないまま放置すると、損失が大きくなる可能性もあります。
本記事では、太陽光発電システムの発電量が低下する主な原因やその対策、日々の点検や環境改善によってできる予防策までを分かりやすく解説します。発電効率を保ち、長期的な投資効果を最大化するために、今一度システムの状態を見直すヒントとしてお役立てください。

発電量が低下していると感じたら確認すべきこと
太陽光発電の発電量が以前よりも減っていると感じたとき、まずは一時的な要因なのか、継続的なトラブルの兆候なのかを見極めることが大切です。システム全体に問題があるとは限らず、外的環境や季節的な変動が原因である場合も少なくありません。
日射量や気温など「環境条件」の変化
太陽光発電は、日射量・気温・天候の影響を大きく受ける発電システムです。特に以下のような環境的な要素は、発電量の変動に直結します。
- 雨や曇りの日が続いた
- 冬場で日照時間が短い
- 夏場でモジュールの温度が高すぎた(高温で効率低下)
これらは一時的なものであり、季節や天候の変動による自然な発電量の上下と考えられます。天候による発電量の差は、年間単位で見るとある程度平準化される傾向があるため、短期間のデータで判断しないことが重要です。
また、パワーコンディショナーのモニターやアプリを活用して、前年同月比などで発電量の変化を確認することも、異常の有無を判断する手がかりになります。
発電量低下の主な原因とは
太陽光発電の発電量が目に見えて下がっている場合、自然条件以外に何らかの物理的・機器的な原因が隠れている可能性があります。ここでは、比較的よく見られる代表的な要因を紹介します。
パネル表面の汚れ・影・鳥の糞による遮光
パネルの表面に汚れや落ち葉、鳥の糞、黄砂などが付着することで、一部のセルが遮光状態になり、発電効率が著しく低下することがあります。特に鳥の糞や濡れた落ち葉は乾燥しにくく、長時間付着し続けると局所的な加熱(ホットスポット)も引き起こすため、早期の対処が必要です。
また、設置当初は問題がなかった周辺環境でも、数年のうちに隣家の建物や樹木が影を落とすようになるケースもあります。遮光はたとえ一部であっても、全体の発電量に大きな影響を与えるため、定期的な視覚チェックが有効です。
経年劣化や部品の故障による出力低下
太陽光パネルや周辺機器は長寿命設計とはいえ、10年、15年と使用するうちに徐々に劣化が進行します。とくに以下のような要素が原因になることがあります。
- 太陽電池セルの自然劣化(出力の低下)
- 表面ガラスやフレームの細かな傷や破損
- 配線部の腐食や接続不良
また、突発的な故障ではなく、劣化が少しずつ進むため、発電量の低下にも気づきにくいのが特徴です。「なんとなく電気代の削減効果が薄れてきた」と感じたときは、経年劣化が進んでいるサインかもしれません。
パワーコンディショナーや蓄電池との接続不良
発電した電気を家庭で使えるように変換するパワーコンディショナー(パワコン)や、電気を蓄える蓄電池に不具合が生じている場合も、発電量が正常にカウントされなかったり、システム全体の出力に支障が出たりすることがあります。
特に、配線の緩みや端子の腐食による接続不良、冷却ファンの故障による内部の高温化などが見落とされがちです。システムモニターにエラー表示がなくても、実際の電力量が減っている場合には点検が必要です。
発電量低下を防ぐ対策とメンテナンス方法
発電量の低下は、発生してから対処するより、日常的な予防や早期の発見が重要です。太陽光発電システムを長く、効率的に活用するには、定期的な点検と環境への配慮が不可欠です。
定期点検と清掃の重要性
パネルの表面に付着した汚れや異物は、目視でもある程度確認できますが、プロによる点検では細かな変化や隠れた不具合の早期発見が可能です。定期点検では主に以下のような点をチェックします。
- パネル表面の汚れや割れ
- 配線や接続部の腐食や緩み
- パワコンの異音や発熱状態
- 系統の電圧や出力に異常がないか
また、清掃については高所作業や水洗いによる破損リスクがあるため、年に1~2回を目安に専門業者に依頼するのが安全で確実です。
日常的には、発電量モニターをチェックし、明らかな数値の変化に早く気づくことが大切です。
設置環境の見直しで効率を最大化
新築時や導入当初には問題がなかった場所でも、年月の経過とともに周囲の環境が変化し、発電に影響を及ぼすケースがあります。以下のようなポイントを定期的に見直すことで、発電効率を維持しやすくなります。
- 新たな建物や看板が影を落としていないか
- 成長した樹木が日射を遮っていないか
- 鳥の巣や糞の影響を受けやすくなっていないか
- 排気や粉じんなど、汚れやすい環境になっていないか
周辺の環境をチェックし、必要に応じて枝の剪定や障害物の移動などを行うことで、発電能力の低下を防ぐことができます。

効果的な発電量維持にはプロの点検がカギ
太陽光発電のパフォーマンスを長期間安定して保つためには、自分でできる範囲の管理に加えて、専門業者による点検を定期的に受けることが重要です。特にシステム全体の構造や電気系統の知識が求められる部分では、素人判断での対応はリスクが伴います。
自分でできる範囲と業者に任せるべき点
日常的に行える管理としては、発電量のモニター確認や目視点検があります。
例えば、
- 雨上がりにパネルの汚れが目立っていないか
- 小動物や鳥の影響が見られないか
- 周辺に新しい影ができていないか
といった観察を通じて、発電への影響をいち早く察知することができます。
一方、以下のような内容は専門業者に任せるべき作業です。
- 配線や接続部の電圧・電流の測定
- パワーコンディショナーの内部点検
- 赤外線カメラを用いたホットスポット検査
- 必要に応じた部品の交換や修理
こうした点検は、故障の予兆を見逃さず、発電量の低下を未然に防ぐ手段として非常に効果的です。
点検ならイーロックホームへ
発電量が下がってきた、またはシステムに不安を感じているという方は、太陽光発電の点検・保守に実績のある専門業者へ相談するのが安心です。
「イーロックホーム」では、住宅用太陽光システムの点検や保守に特化したサービスを提供しており、発電効率の維持・改善に関する豊富な知見を持っています。
初期診断から具体的な改善提案まで対応可能なので、「少しでも気になることがある」「10年目を迎えた」などのタイミングで、一度相談してみることをおすすめします。
太陽光発電、発電量低下によくある質問
通常は年間1%前後の自然劣化が想定されます。ただし、環境条件や使用状況により、5年・10年単位で見ると大きく差が出ることがあります。
多くのメーカーでは出力保証が10〜25年ほど付いているため、規定を下回る出力低下が確認されれば保証対応が可能な場合があります。保証内容は契約時に要確認です。
温度耐性、保証期間、設置対応力(屋根形状や方位への柔軟性)なども重要な比較ポイントです。単に変換効率の数字だけでなく、トータルの環境適応性も検討しましょう。
点検のみであれば1〜3万円程度が相場です。清掃や赤外線診断などを含めると内容に応じて変動するため、まずは見積もりを取るのが確実です。
はい、日射量・気温・影・地域差など、環境条件は発電性能に大きな影響を与えます。導入前・導入後ともに周囲の変化に注意が必要です。
まとめ
太陽光発電の発電量が低下する原因は、パネルの汚れや影、経年劣化、機器の不具合など、複数の要因が複雑に絡み合っています。中には、日射量や気温といった自然環境の影響による一時的な変動もあるため、原因を正しく見極めたうえで適切に対処することが大切です。
定期的な清掃や周辺環境の見直し、日常的なモニタリングに加えて、専門業者による点検を受けることで、トラブルの早期発見と対策が可能になります。こうしたメンテナンスを継続的に行うことで、太陽光発電システムの寿命を延ばし、長期的な発電効果を維持することができます。
発電量が気になってきた方や、導入から年数が経っている方は、まずは一度プロに相談することをおすすめします。
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